パワハラ対策シリーズ 第3回「データで見るパワハラの実態」
目次
過去3年間のハラスメント相談件数の傾向
過去 3 年間に各ハラスメントの相談があったと回答した企業の割合をみると、高い順にパワハラ(48.2%)、セクハラ(29.8%)、顧客等からの著しい迷惑行為(19.5%)、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント(5.2%)、介護休業等ハラスメント(1.4%)、就活等セクハラ(0.5%)であった。
パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為、就活等セクハラについて、過去 3 年間の相談件数の推移を聞いたところ、セクハラ以外では「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」が最も高かった(「件数の増減は分からない」「把握していない」を除く)。
顧客等からの著しい迷惑行為のみ「件数が増加している」の割合の方が「件数は減少している」より高かったが、それ以外では「件数が減少している」の割合の方が「増加している」より高かった。
🔗厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査(令和2年度)」
過去3年間のハラスメント該当件数の傾向
過去 3 年間に各ハラスメントの相談があった企業のうち、顧客等からの著しい迷惑行為(92.7%)、セクハラ(78.7%)、パワハラ(70.0%)に害する事案があったと回答した企業の割合が、介護休業等ハラスメント(21.9%)、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント(47.9%)に該当する事案があったと回答した企業の割合より高い結果となった。
該当件数の推移については、顧客等からの著しい迷惑行為については「件数が増加している」の方が「件数は減少している」よりも多いが、それ以外のハラスメントについては「件数は減少している」の方が「件数が増加している」より多かった。
🔗厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査(令和2年度)」
ハラスメントの該当事案の内容
パワハラに該当すると判断した事例があった企業における事案の内容としては、「精神的な攻撃」(74.5%)が最も高く、「人間関係からの切り離し」(20.6%)が続いた。
🔗厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査(令和2年度)」
行為者と被害者の雇用形態、行為者と被害者の関係
ハラスメント該当事案における行為者と被害者の雇用形態をみると、全てのハラスメントにおいて、「正社員から正社員へ」の割合が最も高かった。
ハラスメント間で比較すると、セクハラについては「正社員から正社員へ」の割合が他のハラスメントより低い一方で、「正社員から正社員以外(パート、派遣社員など)へ」が他のハラスメントより高かった。
ハラスメント該当事案における行為者と被害者の関係をみると、パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメントのいずれにおいても、「上司(役員以外)から部下へ」の割合が最も高かった。
ハラスメント間で比較すると、「上司(役員以外)から部下へ」の割合は、パワハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメントがセクハラ、介護休業等ハラスメントに比べて高い。
一方、「同僚同士」の割合は、セクハラ、介護休業等ハラスメントがパワハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメントに比べて高い。
🔗厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査(令和2年度)」
精神障害の労災補償も増加傾向
過去3年間(令和元年度〜令和3年度)において、労災の請求件数および支給決定件数が増加傾向にあります。
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 | |
---|---|---|---|
【精神障害】請求件数 | 2060 | 2051 | 2346 |
うち支給決定件数 | 509 | 608 | 629 |
【うち自殺】請求件数 | 202 | 155 | 171 |
うち支給決定件数 | 88 | 81 | 79 |
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