総合労働相談件数は、15年連続で100万件を超え、高止まり(紛争の内容は、「いじめ・嫌がらせ」が引き続き最多)
令和5年6月30日に、令和4年度の「令和4年度個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました。
「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、迅速に解決を図るための制度で、「総合労働相談※1」、都道府県労働局長による「助言・指導※2」、紛争調整委員会による「あっせん※3」の3つの方法があります。
※1 「総合労働相談」
都道府県労働局、各労働基準監督署内、駅近隣の建物など379か所(令和5年4月1日現在)に、あらゆる労働問題に関する相談にワンストップで対応するための総合労働相談コーナーを設置し、専門の相談員が対応。なお、平成28年度から、都道府県労働局の組織見直しにより「雇用環境・均等(部)室」が設置され、これまで「雇用均等室」で対応していた男女雇用機会均等法等に関しても一体的に労働相談として対応することになったため、それらの相談件数も計上されています。
※2 「助言・指導」
民事上の個別労働紛争について、都道府県労働局長が、紛争当事者に対して解決の方向を示すことで、紛争当事者の自主的な解決を促進する制度。助言は、当事者の話し合いを促進するよう口頭または文書で行うものであり、指導は、当事者のいずれかに問題がある場合に問題点を指摘し、解決の方向性を文書で示すものです。
※3 「あっせん」
都道府県労働局に設置されている紛争調整委員会のあっせん委員(弁護士や大学教授など労働問題の専門家)が紛争当事者の間に入って話し合いを促進することにより、紛争の解決を図る制度です。
目次
1 総合労働相談件数は高止まり(助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より減少)
- 総合労働相談件数は124万8,368件で、15年連続で100万件を超え、高止まり
2 民事上の個別労働紛争※4における相談、助言・指導の申出、あっせんの申請の全項目で、「いじめ・嫌がらせ」※5の件数が引き続き最多
- 民事上の個別労働紛争の相談件数では、69,932件(前年度比18.7%増)で11年連続最多
- 助言・指導の申出では、1,005件(同40.5%減)で10年連続最多
- あっせんの申請では、866件(同26.1%減)で9年連続最多